成熟する時期が遅い晩生 (おくて) 品種の新之助もようやく、稲穂が出始めました。
「出穂 (しゅっすい)」と言います。
稲の穂は、筒状に包むように守っていた葉の中から、茎の伸長によって徐々に抽出し、
その直後に開花します。
開花するのは、雨や風の影響が少ない穏やかな日の正午頃の数時間だけ。
後にお米を包む「籾殻(もみがら)」になる一対の穎花(えいか)が開いて中から雄しべが抽出し、
1時間ほどで穎花は再び閉じてしまいます。
今日は撮影が13時過ぎだったので、ほとんどが閉じた後でした…
これから1週間ほどで穂が出揃い、おいしいお米が稔っていきます。
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ぜひご覧ください。
撮影協力:新潟県農業大学校
新潟県農業大学校では、新之助に穂が出る前の追肥「穂肥(ほごえ)」を撒きました。
穂肥は、おいしいお米が稔るよう、稲の栄養状態を高めるための重要な管理です。
直径2~3㎜ほどの粒状の肥料を、背負い式の動力散布機でムラなく丁寧に撒いていきます。
ただ肥料の量を多くすれば良い訳ではなく、食味を低下させる玄米タンパク質含有率を高めないよう施用量の調節が求められます。
ちなみに、
穂肥の時期は、幼穂(ようすい)の長さを目安にしています。
今日は、前回1㎜だった幼穂長が5㎜に生長しており、穂が出る21~18日前にあたり、1回目の穂肥の時期だと分かります。
今後2回目の穂肥を10日後くらいに行います。
暑いこの時期、体力的にとても大変な作業です。
農業大学校のみなさん、お疲れさまでした。
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撮影協力:新潟県農業大学校
新潟県農業大学校では、ジメジメとした暑い中、「溝切り」作業を行いました。
「溝切り」とは、田んぼに溝を作り、排水溝へ水がスムーズに流れるようにする作業です。
排水や中干しを効率的に行うことができるほか、
フェーンなどの異常気象時には速やかに入水することもできます。
ちなみに、田んぼの水を落として、一時的に田んぼを乾かすことを「中干し」といい、
茎数が過剰になりやすい新之助の生育をコントロールします。
収量や品質を確保し、おいしいお米を作るための大切な作業です。
大学校では、溝切り作業に、歩行型と乗用型の2つの溝切り機を使用していました。
歩行型は田んぼに足を取られ、進むだけで大変そうでしたが、
みなさんがんばって作業されていました。
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撮影協力:新潟県農業大学校
新潟県農業大学校では、無農薬無化学肥料栽培の研究も行っています。(新之助ではありませんが…)
こちらのほ場では、除草剤を使用しないため、チェーンを使って除草をしています。
田植え機にチェーンを取り付けた機械で除草を行いますが、
水口(みなくち)と水尻(みなじり)は機械で地盤をいためないよう、人力でチェーンを引っ張ります。
田植え後、稲が根を張ってからほぼ毎週、7月上旬まで除草作業を行っています。
ちなみに…
チェーン除草とは、
雑草が生え始めた田んぼの表面の土を、
チェーンを引っ張って雑草を根付かせないようにする方法です。
生え始めたばかりの雑草は根が短いため
チェーンに引っかかり抜けて、田んぼに浮かびます。
一方、稲は根をしっかり張っているので、
チェーンで抜けることはほとんどありません。
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撮影協力:新潟県農業大学校